滝澤正光杯2020

滝澤正光杯

新しい時代の始まり

千葉勢が総力を終結
最多11名が参戦する千葉勢が総力を結集して他地区のライバルたちを迎え撃つ。中心となるのは岩本俊介、和田健太郎だ。岩本は8月の松戸記念に続いての連覇へ視界良好。9月からは9車のレースも走れているし、直前も競輪祭ならレース運び等には何ら不安はない。松戸記念の優勝、9月共同通信社杯で優出と調子も良さそうだ。和田はこのままいけば初のグランプリ出場が濃厚。グランプリまで2週間ほどしかないスケジュールにはなるが、出場したい気持ちは強い。岩本をはじめ同県の目標も豊富。出場なら8月の松戸記念を落車で途中欠場した分も奮起する。中村浩士、山中秀将は今年、松戸で3度開催されるGⅢの最終戦でようやくの出番。中村は9月平塚で優勝するなど差し脚健在だし、山中も年頭の鎖骨骨折から切れが戻っており、待ちに待った地元の大一番で大暴れする。さらに近藤隆司の機動力も地元勢には欠かせない。

短走路への適性を考えれば渡邉一成が地元勢にとって最も怖い存在となりそう。渡邉は9月共同通信社杯、10月の寬仁親王牌と短走路のビッグで1勝ずつを挙げている。寒さでタイムが出ない時期ではあるが、松戸は18年にサマーナイトも制すなど実績があるバンクだ。同県、同期の成田和也も10月京王閣で久々の記念優出を決めるなど堅実。今年はビッグ3度の優出とグランプリ出場も見えている守澤太志も加われば強力な北日本ラインが完成する。

吉澤純平も有力なV候補の一人だ。オールスター、共同通信社杯と落車続きだが、幸い大きな影響はなさそう。むしろ短走路の伊東で開催された共同通信社杯で優出している実績を評価すべきだろう。武田豊樹、芦澤大輔と後ろを固める援軍も充実。武田は弟子である吉澤の番手で健在ぶりをアピールしたい。

唯一のS班、村上博幸は稲垣裕之との京都同期コンビで活路を見いだしたい。ただ最近は稲垣も番手回りのレースが多く、近畿勢は上位に機動型が手薄。自力有利な短走路でどう立ち回るのか注目だ。金子貴志、近藤龍徳の中部勢も条件は同じだが、川口聖二が勝ち上がってくれば形勢は一変しそう。

中四国勢は宮本隼輔に復調の兆しがあるのが頼もしい。宮本は10月久留米で優勝すると、続く防府記念でも3連勝で決勝に勝ち上がった。同県の桑原大志に筒井敦史、香川雄介と追い込み陣も充実しており、他地区にとっても侮れない勢力になることは間違いない。

中本匠栄、上田尭弥と機動型を2枚そろえる九州勢。繰り上がりながら共同通信社杯制覇でひと皮むけた中本が次に狙うのは記念初制覇だ。