ふるさとカップ2020

ふるさとカップ

伝統と戦いの頂き

【北日本】
郡司浩平(神奈川)が高いレベルを維持している。S級S班として戦う2020年。3月の玉野記念を制して、2月のGI、全日本選抜でも決勝5着と、十分な結果を残してきた。今回のメンバー構成なら自力が中心の戦い。7車立てでは位置取りを気にすることはないし、仕掛けのタイミングに集中していく。弥彦は5年ぶりの出走になる。堀内俊介(神奈川)は、5月の宇都宮記念で決勝4着に健闘した。その後はやや調子を崩したが、スピードを生かした仕掛けは魅力。今回の条件なら戦いやすいはずで、強い気持ちを持ってのカマシ、まくりには要注意だ。神奈川の追い込み選手の軸になるのは大塚玲。6月の小田原で落車した影響が気になるが、郡司や堀内と同県の好目標がそろった今回は奮起したい。静岡勢は手薄な陣容。FIでの決勝進出が続く大石剣士がどこまでやれるかがカギになる。S級1班の土屋裕二が大石にマークか。

【関東】
まずは、ホーム戦になる選手会新潟支部(新潟、長野、山梨)所属の選手を紹介する。もちろん中心になるのは、弥彦記念の4連覇を狙う諸橋愛(新潟)だ。過去の3回はそれぞれ違う想いを抱いての地元GIIIだったが、120%の力を出し切っての差し切りだった。今年は条件が変わっての大会になるが、「勝つ」という信念は変わらない。自然に巻き起こる後押しの風に乗って、偉業達成なるか?諸橋に負けず劣らずの気持ちで走るのは、鈴木庸之(新潟)だ。腰の手術で、昨年の大会は無念の欠場。欲のない人間だが、地元だけは勝ちたいと、事あるごとに話しており、地元5割増しの勢いで走る。6月の青森GIIIで決勝2着と、状態も上がってきた。2007年に弥彦記念を制した藤原憲征(新潟)。昨年大会は決勝3着と、諸橋と同様に、地元の大一番では強さを発揮する。昨年末のケガで今年はやや出遅れたが、きっちり状態を戻してきている。

【南関東】
北日本地区では、福島県に有力な選手がそろった。軸になるのは、昨年のKEIRINGPを制した佐藤慎太郎(福島)だ。約2カ月ぶりのレースになった5月末の全プロ記念では精彩を欠いたが、レースを走って調子を上げてくる選手。弥彦記念の前にはビッグレースが続いており、状態は確実にアップしてくる。7車立てへの対応がカギになるが、番手での仕事をして抜け出してくる。7車立てで、持ち味をフルに発揮できるのは渡邉一成(福島)。自転車競技で世界と戦った経験が生きる舞台で、単純なスピード比べになれば一枚も二枚も上の脚力がある。競輪再開後は好調な動きを見せている。渡邉とは逆に、小松崎大地(福島)は全プロ記念、6月の平塚FIを失敗。再開後の走りは、本来のものではない。ポテンシャルが高い選手だし、浮上のきっかけさえつかめばといったところか。弥彦では2015年7月の寬仁親王牌一次予選で、佐藤慎太郎とワンツーを決めるなど、好成績を残している。