取手競輪場開設70周年記
平原康を軸に関東勢
6月27日~30日の日程で開設70周年記念「水戸黄門賞」が取手競輪場にて開催される。新型コロナウイルス感染拡大防止策として7~9月までは記念が7車立て、9R制で開催されるため、従来の9車による記念開催はとりあえず今回が最後。「地区内あっせん」で関東、北日本、南関勢による優勝争いとなるが、各地区に実力者がそろって激戦は必至だ。
まずはS班の平原康多を中心に層の厚い関東勢が優勝争いをリードしそう。平原は5月宇都宮記念の落車をおしての全プロ記念に出場。万全とはいえない状態のなかでも2着2本と結果を残した。続く宮杯までには、状態を上げてくるだろうし、さらにここまでも時間がある。強豪を迎え撃つ関東勢の軸として、万全に近い状態に仕上げてくるはずだ。吉澤純平、吉田拓矢に杉森輝大と地元勢には自力型がそろっている。吉澤は宇都宮記念の初日特選でマークした平原を振り切って快勝。続く平では完全優勝している。吉田、杉森も開催中止に入る前の3月開催で、それぞれV歴があるものの杉森の不安はレース勘だ。吉田はここまでに全プロ記念、平塚、宮杯と3本走れるが、杉森は宮杯が約3カ月ぶりの実戦。宮杯の4走でどこまで感覚を取り戻せるか。もちろん武田豊樹の存在も忘れてはならない。メンバ―最多、3度の当所記念V実績があり、今シリーズも前を任せる機動型はそろっている。あとは自分自身の状態をどれだけ上げられるかだ。5月から東京籍となった鈴木竜士にとっても気持ちの入る大会。3月ウィナーズカップ、4月川崎と落車続きだったが、優勝した5月広島の走りを見るかぎり大きな影響はなさそうだ。
抜群の安定感を誇る郡司浩平が平原と人気を2分する存在となる。今年ここまでの着外はわずかに3回。1月立川記念の失格で5月はあっせん停止となってしまったが、その間にしっかりと練習して復帰戦となる宮杯に臨んでくるだろう。郡司は4月武雄記念を走っており、大きなブランクはない。宮杯で感覚のズレを修正すれば、ここも平原と互角の争いが可能だ。2カ月ぶりの実戦だった全プロ記念は78着と大きな着に終わってしまった松井宏佑だが、競技用自転車との違いもあったからだろう。全プロ記念、宮杯を走れば感覚を取り戻せるはずで、ここもダッシュを生かした走りで南関勢をリードする。郡司、松井に根田空史ら自力タイプがそろっているなら、中村浩士、内藤秀久や岡村潤にもチャンスだ。中村、内藤は高い競走得点が物語るように差し脚好調。岡村の差し脚や援護力も南関勢には欠かせない。
新山響平、菅田壱道に渡邉一成と機動型ぞろいの北日本勢。新山、菅田には今年、G3の優勝実績がある点も見逃せない。脇本雄太のフレームで走った全プロ記念は着に終わった新山は、どう修正してくるか。5月川崎から使う新車が馴染む菅田の自在戦も魅力だが、ここへ来て復調急な渡邉の存在が頼もしい。全プロ記念では2日間、主導権を握って3着、続く宇都宮では好メンバーを相手に決勝2着と気配なら新山、菅田にも負けてない。これだけ機動型がそろえば佐藤慎太郎にとっては腕の見せどころ。連係実績豊富な北の機動型と好連係を決めて5年ぶりの記念優勝を狙う。